第4節 淄博市

 淄博市は省都済南市の100Km東北にあります。太公望が周王朝の総裁引退後この地をもらって治めたところです。
 ここで抱鼓型門墩:6組と門枕石11組を見ました。

   画像1:姜太公祠の門         (画像をクリックして 大きくなりますヨ)
        姜太公(=太公望)を祀った祠です。    
   画像2:姜太公祠の門墩 (高:56cm 幅:21cm 長56cm)
        彫飾の無い簡素な抱鼓型門墩です。

 

   画像3:斉国歴史博物館の収蔵門墩
        太鼓の丸い部分に“七花弁の蓮花”が彫られています。太鼓を支える

            鼓座は四隅を竹棒が支える珍しい型をしています。台座の正面に

           “獣の頭”が彫られています。他の地方では見かけない淄博市特有の

             ようです。     
   画像4:城里街の路上に置かれた門墩
        太鼓の丸い部分に何も彫られていない。鼓座の型が違う以外は画像3

       とそっくりの抱鼓型門墩です。

   画像5:蒲松齢故居に収蔵された門墩
        太鼓の丸い部分に膨らみがある。鼓座の型が洛陽の物に似ている以外

      は画像3に良く似た抱鼓型門墩です。
       
 画像3:4:5の台座正面に“獣の頭”を彫った抱鼓型門墩はここ淄博市以外では見たことのない門墩です。淄博式門墩とでも呼ぶべき特有のものです。

 

 

 

  普哈丁墓園の獅子型門墩
 江蘇省楊州市にある普哈丁墓園第二門の獅子型門墩です。
 この台座の中に獣が居ます。この獣が淄博式門墩の獣と同じでしょうか??

 淄博市で見た門枕の幾つかを紹介します。

   画像1:蒲松齢故居の門
        清代の有名な短編怪奇小説集《聊斎志異》の著者蒲松齢(1640~

            1715年)の邸宅の門です。
        無彫飾の門枕が設置されています。

   画像2:蒲家庄洪山鎮24号の民家
        蒲松齢故居のある村は古い時代の民居が残っています。
        無彫飾の門枕が設置されています。

   画像3:蒲家庄洪山鎮の民家
        近年建替えられた門でしょう。
        門枕の正面に獅子が薄彫され黒く塗られています。

 

   画像4:淄博市郊外の農村の民家
         コンクリート門に無彫飾の門枕が使われています。
         ここでは今でも門枕が使用されているのでしょう。

 

   画像5:丘稷公祠の門墩
         姜太公祠の境内にある丘稷公祠の門に一見抱鼓型門墩に見える

             ものが設置されています。
        良く見ると門枕の上に石の板を添付した様なので、門墩とはせず、

            門枕分類しました。

 

 

  斉国歴史博物館内の展示
 戦国時代(BC500~221年)に栄えた斉の国は官立学院“下学舎”を設立し英才の教育に力をいれました。“下学舎”の門が博物館内に再建されています。
 この門は門墩や門枕を使わない上下挟式です。この頃も門墩は発生していなかったのでしょう。

第4節 淄博市 終