第2節 泰安市

 泰安市は済南市の50Km南で、泰山の麓にあります。2010年9月14日に行きました。
 中国五嶽の一つ海抜1524mの泰山にバスとケーブルで月観峰まで行き、頂上まで1kmを歩きました。
 泰山頂上で獅子型:1組 抱鼓型:1組と門枕石:2組 上下挟式2組を見ました。

   画像1:泰山頂上手前の南天門の客房商品部

   画像2:客房商品部の獅子型門墩  (画像をクリックして 大きくなりますヨ)
        台座の正面に模様が彫られていますが写真では判明しません。

 

   画像3:南天門管理所の門
   画像4:南天門管理所の門の抱鼓型門墩
        太鼓の丸い部分に“真上から見た八花弁の蓮の花”が彫られています。
        台座は無彫飾です。

 

   画像5:碧霞元君祠

        泰山頂上南側に宋代の(1008~16年)に創建され、明清代に増設さ

            れた祠

   画像6:碧霞元君祠の門枕石

 

   画像7:碧霞元君祠周壁の部屋への出入口
        この祠の周壁に設けられた門枕石を備えた入口

 

   画像8:玉皇頂の門
        泰山頂上に玉皇大帝を祀る玉皇帝殿があります。

        玉皇帝殿を囲う周壁の門。

   画像9:玉皇頂門の門臼

        玉皇頂門の開閉装置は門臼を使った簡素な上下挟式です。

 

   画像10:泰山頂上大観峰に明代に建っていた門の地栿
        大観峰に明代にあった建築の基礎石が残っています。
        門の地栿があり、この門の開閉装置は門臼を使用した簡素な上下挟式

      だった事が解ります。

 

 岱廟ホテルで門枕石・獅子型門墩・箱子型門墩を見ました。

   画像1:岱廟の配置図

        岱廟は東嶽泰山神を祭り、歴代皇帝が封禅の儀を行う廟で、秦代に

            存在しその後歴代拡張した一大古典建築群です。

 

   画像2:岱廟の仁安門
   画像3:岱廟仁安門の門枕石

 

   画像4:岱廟の炳霊門(内側)

   画像5:炳霊門の門枕(内側)

 

 

   画像6:岱廟東御座の門

   画像7:岱廟東御座の門枕石 
        門枕に錦鋪が掛けられています。これは大変珍しいものです。

 

   画像8:市内のホテルの食堂入口に置かれた獅子型門墩
        台座の正面に“池に生えた蓮の花と蛙が乗った葉”が彫られています。
        大変珍しい図です、寓意は知りません。
      
   画像9:市内のホテルの食堂入口に置かれた箱子型門墩 
        箱に錦舗が掛けられ、全面に模様が彫られた豪華な門墩です。
        錦鋪と箱には多くの花が、台座の内側には“池に生えた蓮の花と葉

          (并蒂同心)”= “夫婦仲良く長寿”の吉祥図が彫られています。
        門扉軸受台にも模様が彫られていますが、写真では判明しません。
       
   画像10:宋代の壁画
        岱廟の本殿大成殿に宋代の岱廟を描いた壁画があります。
        その絵に描かれた門に門墩はありません。
        門墩の発生は宋代だとの説がありますが、宋代にはまだ発生していな

             かった証明に成ると思い撮影させてもらいました。

 

 漢の武帝(BC156~87年)が建てた“明堂”(政治や宗教行事を行った所)が泰安市の郊外に保存されています。
 現在は博物館になっており、25組の門墩が集められていました。
       (獅子型:5組 抱鼓型:12組 箱子型:8組)

   画像1:漢明堂正門       
   画像2:漢明堂正門の獅子型門墩

        台座に彫飾は無く、素朴な門墩です。

   画像3:漢明堂に収蔵された獅子型門墩

        台座は素朴ですが、威厳のある獅子は権威を感じさせます。

 

   画像4:漢明堂に収蔵された抱鼓型門墩

        太鼓の胴に龍の子の獣吻(陰邪を食べる)の頭部が彫られています。
        太鼓をささえる鼓座があまり見かけない形をしています。
        台座の内側には獅子(避邪)が彫られています。 

   画像5:漢明堂に収蔵された抱鼓型門墩

         太鼓の丸い部分には二重花弁の花が彫られています。
         鼓座は台座と一体の瑞雲に成っています。大変少ないですがたまに

             見かける“瑞雲型門墩”です。

   画像6:漢明堂に収蔵された抱鼓型門墩

        大変長い安徽式台座を持ち、安徽省の流れを思わせる門墩です。

   画像7:漢明堂に収蔵された抱鼓型門墩

        台座に太鼓を乗せる鼓座の型から洛陽市との関連を感じる門墩です。

 

 他にもいろいろな模様が彫られたいろんな型の抱鼓型門墩が集められています。

 

   画像8:漢明堂に収蔵された箱子型門墩

        箱の正面には“雲と四脚の獣”(寓意は知りません。)が、側面には

           “岩陰に兎”=健康(兎は薬を作る)の吉祥図が彫られ、台座と門扉軸受

       台に瑞雲が彫られています。

   画像9:漢明堂に収蔵された箱子型門墩

        台座を持たない柱状門墩です。
        正面には“蓮の生えた池に鳥のつがい”(愚意不明)と“鯉が龍に

       成る(登竜門)”の吉祥図が、内側には“蓮と蒲?が生えた池に魚が泳い

             でいる(連々有余)”=“年々裕福” の吉祥図が、門扉軸受台には 

             “花の咲いた野に居る四脚獣” (愚意不明)の図が彫られています。

   画像10:漢明堂に収蔵された箱子型門墩

        正面に“鉢に生えた菊”・側面に“蹲って空を見返る羊?”と“鉢に生

       えた牡”が彫られてます。かなり厚みを持った豊満な浮彫りです。

 

 他では見かけない豊富な模様が彫られた泰安特有と思われる箱子型門墩が集められています。 

第2節 泰安市 終