第5節 宝鶏市

 漢中市の北に聳える秦嶺山脈を越えると渭河沿に宝鶏市があります。

 秦嶺山脈の一部が渭河に向かって伸びる台地の一つが三国志で有名な五丈原です。

 
 ここにも諸葛孔明を祭った諸葛廟があります。
 この廟は唐以前に創建され、その後何度も修復や再建を重ね、現在の廟は1985年に昔の基礎の上に古式を守って再建されたものです。

   画像1:諸葛廟山門                    (画像をクリックして 大きくなりますヨ)
   画像2:山門の抱鼓型門墩(左側)
   画像3:山門の抱鼓型門墩(右側)
        全高1m15cm:台座の巾35cm:奥行44cmと大きなものです。
        太鼓の内側には二匹の仙鹿が彫られ、反対側の門墩の太鼓の内側

       には二羽の仙鶴が彫られています。 (長寿の吉祥図)
        太鼓を乗せた鼓座が瑞雲を思わせる豪華な型をしています。これは

             陝西省地方によくある一つの形です。

 

   画像4:境内の脇門

   画像5:脇門の門枕木

        境内の脇門には門枕木が使用されていました。

 

金台観 

 

 渭河を挟んで五丈原の対岸渭川の北岸に宝鶏市の市街地はあります。市街地の高台に元代末期創建の金台観が建っています。
 金台観は有名な道士張三豊が元から明にかけて修行した所です。明清両代にかけて拡張修復された雄大な建築群です。

   画像1:金台観
   画像2:金台観正面の門墩 (全高:73cm)
        太鼓の三方が切り取られた珍しい型です。後の時代に切り取られた

       ように思います。
        太鼓の外側には太極模様、内側には三人の人物が彫られています。

   画像3:金台観右脇門
   画像4:左脇門の抱鼓型門墩(右内側)
        建物の両脇門に抱鼓型の門墩があります。どちらも上に獅子を乗せ

             ています。
        太鼓の内側には蓮の花を生けた花瓶と鼎と碁盤が彫られています。
        反対側の門墩の太鼓の内側には牡丹を生けた花瓶と鼎と書物が

             彫られています。
   画像5:左脇門の抱鼓型門墩(左正面)

 

 

 秦嶺山脈越え

 漢中市から五丈原に行くにはパンダが住む秦嶺山脈を越えねばなりません。 
 2300mの峠を越えたのは11月中旬でした。北から吹き上げる寒風に木々は樹氷になってキラキラ輝いていました。
 何処に住んでいるのか路上に棗・キウイ・蜂蜜を並べ、この寒風の中で売っていました。
 売り子の少女の頬は真っ赤です。
 棗は美味でした。
   (画像:撮影 草鹿庸次郎氏)  

第5節 宝鶏市 終