第5節 無錫市

 無錫市は常州市の40km東南です。隋時代に作られた運河で繋がっています。   錫の産地でしたが漢代に採り尽くされて錫が無くなり無錫と呼ばれるようになったそうです。
 中国で四番目に大きい太湖沿いの風光明媚なところで、演歌「無錫旅情」で知られた所です。
 2006年2月28日観光旅行で錫恵公園内の恵山寺に行き、境内で8組の門墩を見ました。
 その後写真で見た門墩を含めて抱鼓型:5組 托日型:21組 箱子型:15組=合計41組を確認しました。
 殆どは西部の錫恵公園と中心部の東林旧跡に有りました。

 

 丸型の門墩は26組確認できました。
 抱鼓型:5組・托日型:21組(皿立て鼓座:10組・こぶ鼓座:11組)でした。

 

抱鼓型

   画像1:尊賢祠 (撮影:柳井直躬氏)   (画像をクリックして 大きくなりますヨ)
        錫恵公園内の茶神陸羽など十人の賢者を祀った祠
        清咸豊十年(1860年)に太平天国戦で壊され、1929年に再建された。
   画像2:尊賢祠の抱鼓型の右内側 (撮影:柳井直躬氏)   
   画像3:胡文昭公祠 (撮影:島村志げりさん)
        錫恵公園内の北宋初期の学者胡璦を祀った祠
        清咸豊十年(1860年)に太平天国戦で壊されたが、1868年に修復さ

      れた。     
   画像4:胡文昭公祠の抱鼓型の右内側 (撮影:柳井直躬氏)  
   画像5:恵山寺内の抱鼓型の右内側
        錫恵公園内の或る建物の門墩 

 

托日型(皿立て型)

   画像1:恵山寺内の托日型門墩を設けている建物
   画像2:恵山寺内に収蔵された門墩 
        六枚花弁の蓮花模様が彫られています。
   画像3:恵山寺内の建物に飾りとして設置された古い門墩 
        獅子の周りに牡丹の花が咲いた模様が彫られています。
   画像4:錫恵公園古華山門の右側門墩 (撮影:島村志げりさん) 
   画像5:錫恵公園古華山門の左側門墩 (撮影:島村志げりさん)
        三匹の獅子が繍球を玩ぶ模様が彫られています。

 

托日型(こぶ型)

   画像1:東林書院 解放東路867号 (撮影:柳井直躬氏)
        北宋1111年に建設された学問所。その後明清時代に何度か改修され、

      現在の建物は清代の建築物。
   画像2:東林書院の門墩 (撮影:柳井直躬氏)
        六枚花弁の蓮花模様が彫られています。

   画像3:二泉書院の門墩 (撮影:柳井直躬氏)
        二匹の獅子が繍球を玩ぶ模様が彫られています。

   画像4:恵山寺内の華孝子祠の門墩 (撮影:柳井直躬氏)
       珍しく何も模様が彫られていない。
       華孝子祠は南北朝時代の華宝氏を唐代に祀った祠、現在の祠は清代

      に建設さました。

   画像5:恵山寺内に収蔵された門墩 
       二匹の獅子が繍球を玩ぶ模様が彫られています。

 

箱子型
  無錫で見た箱子型は西安式で、基座に錦鋪が掛けられた北京式はありませんでした。

   画像1:東林書院儀門 (撮影:柳井直躬氏)
   画像2:東林書院儀門の右側門墩 (撮影:柳井直躬氏)
       正面に動物・内側に花が彫られています。
   画像3:顧瑞文公祠

        顧瑞文は明朝万暦年間に科挙に合格“進士”になっています。
   画像4:顧瑞文公祠の右側門墩 (撮影:柳井直躬氏)
        模様は彫られていません。
   画像5:二泉書院

   画像6:二泉書院の右側門墩 (撮影:柳井直躬氏)
        模様は彫られていません。  
   画像7:恵山寺内古華軒の前に収蔵された門墩
       手前の門墩の正面には麒麟が彫られています。
       向こう側の門墩の内側に四花弁の周りに五匹の蝙蝠が彫られています。

石鼓型 
 無錫でしか見かけない珍しい型をした門墩がありました。
 箱の部分が腰掛のような“石鼓型”をした門墩で、“石鼓型門墩”と名付けました。

   画像1:道南祠の正門 (撮影:柳井直躬氏)
        北宋1111年に東林書院を創設した明代理学者楊時を記念する祠で 

       す。
   画像2:道南祠正門の門墩 (撮影:柳井直躬氏)
   画像3:道南祠の第二門 (撮影:柳井直躬氏)
   画像4:道南祠第二門の門墩 (撮影:柳井直躬氏)  

   画像5:二泉園への門の門墩 (撮影:柳井直躬氏)
        “二泉”は唐代に茶道を創立した陸羽が天下第二の名泉とした泉で

             す。

 

第5節 無錫市 終