第3節 桐郷市烏鎮

 西塘鎮の45km西南に京杭運河に面し商業で発展した烏鎮が有ります。
 烏鎮は江南地方を治める重要地で、唐時代にもここを管理する特別職がおかれ、明朝から民国時代まで370年間には中央官庁“江浙分庁”が置かれていました。

 烏鎮は明清時代の古建築物が多く残っている村です。

 

 2005年11月18日と2009年8月27~28日訪れました。
 村の中心地域と西地区で托日型:9組 箱子型:2組 板子型:2組 合計13組の門墩を確認しました。

 

 村の中心地では修真観と立志書院の二箇所に門墩がありました。

   画像1:修真観の門楼
        修真観は北宋の998年に作られた道教の芦屋です。現在の建物は

      清代1749年の物です。
   画像2:門楼の三つの入口にある托日型門墩
        中央の門墩には繍球を玩ぶ三匹の獅子が彫られています。
        左右の二組の門墩は模様は彫られていません。

 

   画像3:立志書院の門
               書院は日本の藩校に相当するものです。
              立志書院は清代1865年に建てられました。茅盾が少年時代ここで

       学びました。書院の西隣が作家茅盾が生まれ成長した故居です。
   画像4:麒麟が彫られた箱子型門墩
               正面には鳳凰が彫られています。

 

   画像5:両側に商店が立ち並ぶ東柵大街(西→東)

                この通りは立志書院が建ち、修真観前の広場につながっています。

 

 村の西部では“江浙分庁”と“盛庭会所”の二箇所に門墩がありました。
 中央官庁“江浙分庁”には正門と第二門儀門に托日型と板子型の二種類の門墩があります。

   画像1:“江浙分庁”の建物配置図
       “江浙分庁”は明代1540年に設置されました。その後何度か手を入れら

      れ、民国時代に廃止され、民間人が住んでいたのを2004年に復建された

      ものです。
   画像2: “江浙分庁”の正門
   画像3:七花弁が彫られた門墩が柵の向こうの脇門にも見えます。
       正門には三箇所の出入り口に3組の托日型門墩が設置されています。
   画像4:“江浙分庁”の第二門儀門
   画像5:義門の中央出入口に七花弁が彫られた門墩3組設置されています。

   画像6:“江浙分庁”儀門の右脇門
        葬儀など不幸な時に使われる脇門です。
        縦板子型門墩を備えています。
   画像7:左脇門の縦板子型門墩
         門墩の中央に麒麟・四隅に蝙蝠と目出度い図が彫られています。

   画像8:“盛庭会所”
         “盛庭会所”は著名な中医の故居で2004年に全面的に修復して

              公開している豪邸です。 
   画像9:“盛庭会所”の門前に保存されている西安式箱子型門墩
                 花が咲いた梅の木に鳳凰と鹿が彫られ、門扉を受ける部分にも

              牡丹が彫られている豪華な門墩です。

                                             (高:56cm 幅:21cm 奥行:66cm)
   画像10:西柵大街
        小さい商店が集まった東柵大街に比べると、“盛庭会所”のある西柵

             大街は宿場や官庁や豪邸が多く、石庫門の建物が並んでおり通の

          雰囲気は違います。

 

 烏鎮村は東西南北に村が伸びて、中央部と西部しか観光できません。
 他の三地区にも昔の住宅が多い様です。見ていない三地区に民家の門墩があるのだろうと推測しています。

 

第3節 烏鎮 終